・僕らの普段着は白衣です

フレア「あら、おはようキリル」
キリル「おはようございます、フレアさん」
ミレイ「おはようございます、キリル社長」
キリル「ミレイさんも、おはようございます」
ササライ「あ、おはようございますキリルさん」
キリル「…………ええっと……どうしていらっしゃるんですか、ササライ先生……」
ササライ「やだな、細かいことは気にしないでくださいよ」
キリル「社員じゃない人間の当り前のような通勤は細かいことですか……?」
ササライ「仕方ないなあ、答えてあげましょう。この白衣は制服という名の普段着です」
キリル「聞いてませんよ、聞いてませんけどひとつだけ確認させてください、なぜ社員証が必要なはずのゲートを通れたんですか…?」
ササライ「え?ああ、トランに勤めてるうちの信者にお願いしたら作ってくれたんですよ。便利なものですね」
キリル「便利なのは機械ですか信者ですか」
ササライ「あはは、両方に決まってるじゃないですか」
キリル「ええと……。ササライ先生、お帰りはいつのご予定で……?」
ササライ「キリルさんったら気が早いなあ。ちゃんと終業時刻まではいますから大丈夫ですよ」
キリル「どこらへんが大丈夫なんですか」


***


・社長室攻防 ver.ルック先生と漂流する人事部長

4主「同盟を組まないか。その名も風の子主婦組同盟」
ルック「ダサすぎるから嫌。大体あんたとは趣味が合わないよ、経理のアームカバー作ったのあんたでしょ?」
4主「そうだが……。何か問題が?」
ルック「眼鏡柄のアームカバーを作るくらいならいっそ眼鏡にアームカバーをつければいいじゃないか」
4主「その発想はなかったな。よしちょっと待て、今作るから」
キリル「作らなくていいよ!!」
4主「ん?おはようキリルくん。どうしたんだ、息が切れているけど。紅茶飲む?今そこの風医者に淹れてやったところなんだ」
ルック「やめてよその呼び名」
キリル「ええとレイ、この好待遇はどうしてまた?君が来客にお茶を淹れるなんて……。ササライ先生には健康診断とかでお世話になってるけど、ルック先生にお世話になる事態はまだ発生してないよね?え、ちょっと待ってもしかしてとうとう営業二課がやっちゃった?」
4主「違うよキリルくん、彼は敵襲の際に尽力することを約束してくれている。だから常にVIP待遇だ」
ルック「こんな平和ボケした魚タワーにどんな敵が攻めてくるのか疑問だけどね。まあ本当に敵襲があったら治療してあげるよ、いい商売になるし。なんなら敵をメスで切り裂いてやってもいい」
キリル「そんなスプラッタな戦いの予定はありません……!………あれ、ねえ4主、常駐医ならユウ先生がいるんじゃないの?父さんに名前を聞いたことがあるんだけど、そういえば会ったことないな」
4主「彼なら社費で国内留学中だよ。キリルくんの就任の少し前に申請が通ったんだ」
キリル「へえ、そうだったんだ。どこに行ってるの?」
4主「……ハルモニア大学院医学研究科に」
キリル「やめてよ善良な群島人をハルモニア色に染めるのは……!」
ルック「言い掛かりだよ。大体僕は反対派なんだ、ハルモニア×ファレナはとんがりぼうししか生まなかったし、ハルモニア×群島が碌な結果になるとは思えない」
キリル「だったらもっと全身全霊で止めてよ……!」
4主「キリルくんツッコミはそこでいいのか。僕的にはとんがりぼうしが気になるんだが」
ルック「文句があるならヒクサクとササライに言ってよね。奴ら、ハルモニア×群島が駄目でも群島×ハルモニアならいけるかもしれないって言って社会人の獲得に乗り出したんだ」
キリル「ああもうこれだからハルモニアンは……!」


***


・社長室攻防 ver.ササライさまとさすらいの掃除婦

ササライ「やあシメオン。君が僕の部屋を掃除に来て水浸しにして帰って以来だね。元気だった?」
シメオン「なんじゃササライか。おぬしも息災のようだな、今も部屋は土塗れなのか?」
ササライ「ちゃんとナッシュに掃除させてるからそんなことはないよ。ナッシュの出張の時はディオスがやるし」
シメオン「ほほう、相変わらず部下遣いが荒いのう」
ササライ「嫌だなあ、それほどじゃないよ。僕なんてまだまださ」
キリル「あの……シメオンさん、世間話の前に水浸しの床をどうにかしてください……」
ササライ「ああなんだ、いたのキリルさん?やっぱり土まみれにしようか?」
キリル「やめてください間違いなく泥水になりますから……!」
ササライ「仕方ないなあ、じゃあ注射は如何ですか?ほら、ルックがいつもメスを白衣に仕込んでるでしょう?僕も何か対抗しようと思って注射器を持ち歩くことにしたんです。これを打てば大地が震えること間違いないですよ」
キリル「ソレ震えるのは大地じゃなくて自分でしょう!?何恐ろしいもの持ち歩いてるんですか!?」
シメオン「む、やるなササライ、常に探究を怠らないとは医者の鑑!私も負けてはおられぬ、これからはホースを持ち歩くことを誓おう……!」
キリル「ほんとやめて……!」


***


・営業会議:ハルモニアに天魁星は要りません

ロジェ「えーっとじゃあ営業会議をはじめまーす!っていうかおまえ誰?」
ルック「あんたこそ誰。僕が先にここにいたんだけど」
ロジェ「ふふふ、よくぞ聞いた!三代目シメオンさんになる男、うかつな営業マンロジェ様とは俺のこと!」
ルック「馬鹿じゃないの?」
マキシン「まあ馬鹿だ。だが確かにおまえは見ない顔だな、余所者か?どこから入ってきた?」
ルック「年齢不詳・神出鬼没がうちの一族のモットーだからね。ハルモニアの医者だよ」
パブロ「ハルモニアの……?も、もしかしてウォーロック様のいる……!」
ロジェ「ウォーロックって誰だ?」
マキシン「おまえやキリルが入社する前に定年退職した営業課の古株爺だ。有能な科学者でもあったとかで、退職後はハルモニアに引き抜かれたと言っていたが……」
ルック「今はハルモニア医科学研究所にいるよ。……来たいの?」
パブロ「い、いえ今の私はキリル社長に使える身ですから……」
ルック「……ふうん。ま、僕は別にいいけどね、アンチ群島×ハルモニア派だから。まあもし爺さんに会いたいんだったら精々有能な人材に成長するんだね。そうすればヒクサクから声が掛かるかもしれないよ」
パブロ「いえ私は本当にそんなことは考えていませんから!」
ルック「……否定が早いね。なんでそんなに必死なのさ?別に僕はどうだっていいんだけど?」
キリル「あああこんなところにいたルック先生!悪質なヘッドハンティングはやめてください!天魁星でもないくせに!」
ルック「あんたには言われたくないんだけどその台詞。大体うちには天魁星なんていないからね」
キリル「最大勢力のくせに……!」


***


・情報システム課と一生のお願いの人

ササライ「あ、君でしょ?一生のお願いの人(笑)って。なんだっけ、テッドくん?」
テッド「……誰だおまえ、と言いたいトコだが聞かなくてもわかるぜ。あのクソガキと同じ顔した人間がそうそういてたまるか、兄貴だろ」
ササライ「え?同じ顔ならもう一人いるけど?」
テッド「……ハルモニアってのは碌なトコじゃねえな。大体なんだその一生のお願いの人って」
ササライ「ルックに教えてもらったんだよ。GUNTOの情シスに情報機器を扱えない一生のお願いの人(笑)がいるって。君、ケータイJ-PHONEなんでしょ?スマートフォンのこの時代に」
テッド「あ?すまーとほん?」
ササライ「うわあ、本当に役立たずな情シスなんだね。ナッシュよりも使えないじゃないか」
テッド「……とりあえずおまえが喧嘩を売りに来たってことはわかるぜ」
ササライ「やだなあ、売りに来たのは喧嘩じゃなくて石板だよ。ルックにおねだり(笑)したんだって?」
テッド「気色の悪い言い方をするな!」
ササライ「まあまあ落ち付いて。石板なんだけど、うちの病院の裏にある墓石でいいかな?まだ未使用のがあるよ、大きさも様々!好きなのを選ばせてあげるよ」
テッド「いらねえよ!」



続くかもしれない