・内科部長と愉快な仲間たち

ディオス「ササライさま、いい加減に床を土まみれにするのはやめてください」
ササライ「えー?片付けといてナッシュ」
レナ「ササライさま、いい加減書類を手当たり次第散らかすのをおやめください」
ササライ「えー?片付けといてナッシュ」
ディオス「ササライさま、今朝ヒクサクさまから連絡がありまして、今日は家族会議を開くから夕飯までに帰ってこいとのことです」
ササライ「そうなの?よくルックがOKしたなあ」
ディオス「ルック先生は無理矢理連れて行くから問題ないと仰っていました」
ササライ「ルックもいい加減慣れればいいのになあ。やっぱりあの占い師のところに行かせたのは失敗だったんじゃないかな」
ディオス「ああ、あのハルモニアの母と名乗っている盲目の占い師のことですか?」
ササライ「そうそう、だってあの人常識なさそうじゃない。まあルックの家事スキルは上がったけどね」
レナ「良識のないササライさまとヒクサクさまと暮らすよりは良かったのでは?あ、ササライさまこの書類書き直しです」
ササライ「うーん、レナは容赦がないなあ。僕ってそんなに良識ないかな?異動したい?じゃあナッシュこれ書き直しといて。サインは僕がするから」
レナ「異動する気はありませんがササライさまには全く良識などございません。あ、ナッシュついでにこれも書き直しときなさい。30分以内に」
ディオス「ササライさま、13時からハルモニア製薬の部長さんと会議ですからね。ナッシュさん、それまでにササライさまのまともな服用意しといてくださいよ」
ナッシュ「…………労組に訴えてくる」
ササライ「え?無駄だよ労組のお偉いさんハルモニア教の熱心な信者だもの。ヒクサク様と同じ顔の僕にはすごく甘いんだよ」
ナッシュ「転職したい……!」


***


・外科部長と破壊な仲間たち

セラ「ルックさま、普段使いのメスが刃毀れしていたので修理に出しておきました」
ルック「ああ、ありがとう。今日の白衣に仕込んでおく分はある?」
セラ「ご安心ください、準備してあります」
ルック「ありがとう、助かるよ。ユーバー、支度は?」
ユーバー「何のだ?手術でも傷害でも何でもいけるぞ?」
ルック「……あんたがそんなんだから切り裂き外科とか呼ばれるんだよ。まったくどこぞの犯罪者になぞらえられるなんて不愉快だよね」
アルベルト「僭越ながらルック様、切り裂き外科のネーミングの原因は間違いなく貴方だと思われますが」
セラ「お黙りなさいアルベルト。ルックさまが不愉快だと仰っているのです」
アルベルト「……ルック様、わたしは貴方の医療技術は尊敬しておりますが、子育てスキルは壊滅だと思います。人間の育成には家事ができれば良いというものではありません」
ルック「アルベルト、それ耳タコなんだけど」
アルベルト「……失礼致しました。ではわたしは内科の偵察に行って参ります」
ルック「ねえそれ飽きないわけ?両方にバレてる二重スパイに何の意味があるのさ。いいから仕事しなよ」
ユーバー「で、俺は何の支度をすればいいんだ?」


***


・ハルモニア総合病院の恒例行事

ルック「兄さん……その患者は僕に回せ。いつも言ってるよね、あんたの出す副作用ばかりの薬よりも僕が一発切り裂いた方が確実だって」
ササライ「やだなあルック、そんな野蛮なこと!患者さんだって傷跡はきっと残したくないだろうし。その点僕が処方する薬は完璧じゃないか、まあ頭髪がなくなることによって心に傷跡は残るかもしれないけどね」
ルック「そっちの方が問題だろうあからさまに!」
ササライ「落ち付きなよルック、患者さんが怯えるだろう?薬を呑むのを嫌がったらどうしてくれるんだ」
患者「……帰っていいですか」
ディオス「まあ心配はいりませんよ、あの人たちはちょっとアレですが腕は確かですから。というわけでこの薬をどうぞ」
セラ「手術室の準備は万全ですルック様。ではお連れ致しますね」
患者「帰らせてください」
クライブ「……患者は須らく健康にしてから帰すべし、というのがうちの組合の規則のひとつでな。悪いが今門をくぐるというなら狙撃するが覚悟はできているか」
患者「……」
ルック「安心しなよ、あんたはちゃんと健康体にしてから放り出すから」
ササライ「ハルモニア奇跡の双子の名は伊達じゃないよ!」





2っぽいルックさまと破壊者を絡めるのが難しかった。そしてササライ組は幻水世界と何も変わらなかった……。