・水と土で風烈牙って実はおかしいよね
ササライ「あれ、シメオンじゃない。どうしたの?」
シメオン「大したことではない。ただの出張じゃ」
ササライ「え、掃除婦が?もしかしてとうとうクビになったのかな?でもうちじゃ雇えないよ、今掃除婦はナッシュで足りてるから」
ナッシュ「……俺は掃除婦じゃありませんササライさま」
ササライ「そうだっけ?その三角巾似合ってるよ?で、シメオン、なにごと?」
シメオン「極秘任務なのだがのう。まあ良い、そこまで聞きたいのなら教えてやろう」
ササライ「うん、別にどうでもいいけど聞かせてもらうよ」
シメオン「ふ……これほどまでに人を惹き付ける……それもイケメンの性。仕方あるまい」
ササライ「あはは、シメオンは相変わらずだね」
レナ「ササライさま、この方はあなたの同属ですか?ならば箒と塵取りを用意しますが」
ササライ「今までの会話のどこでそう判断したのかな?シメオンは違うよ、彼が撒くのは土ではなく水だ」
シメオン「その通り。先日誓った通り、常にホースを持ち歩いておる。蛇口さえあれば私は無敵だ」
ササライ「ねえシメオン、その格好で電車乗ってきたの?エプロン+モップ+ホースで?」
シメオン「何を言う、勿論ママチャリだ。電車に乗るような生温いことでは掃除婦などやっておれんよ」
ササライ「わあ、あとで信者の皆に聞いてみよう。ひとりくらい写メった人がいるんじゃないかな」
レナ「仕事してくださいササライさま。それなら聞いておきますから、ナッシュが」
ナッシュ「え?」
シメオン「では本題に入ろうかの。……実は、魚人スーツ・ロイヤルブルーバージョンが意外にもハルモニアで人気を博したため、私が直々に実態調査に参上したのだ」
ササライ「ああ、あれなら外科にあるよ。でも意外かな?あれって結構売れてるんでしょ、何故か」
シメオン「魚人スーツが売れるのはこの世の摂理。だがハルモニアには受けないだろう、という意見がうちでは大部分を占めておってのう。全社的に賭けが行われた結果、大分儲けさせてもらったぞ。今度うまい棒をおごってやろう」
ササライ「お供え物なら毎日もらうからいらないよ。魚人スーツの人気ぶりについては外科部長が一番詳しいから訪ねてみたら?」
シメオン「ほう、そうか。ならばこれから行ってくるとしよう。世話になったな、ササライ」
ササライ「いえいえ。ルックによろしく」
ナッシュ「弟さんに湧く親近感……!」
***
・頼まれたって水竜なんかやりません
シメオン「ふむ、真面目に仕事をしておるようだのう。感心感心」
ルック「……あんた誰」
シメオン「よくぞ聞いた。ハルナ掃除婦協会の誇るイケメンカリスマ掃除婦シメオンとは私のこと。遠慮せずにひれ伏すが良い!」
ルック「アルベルト、追い出して」
アルベルト「肉体労働は管轄外です」
シメオン「なんだなんだ緊張しておるのか?無理もない、この溢れるイケメンオーラを前にしてはな」
ルック「……ひとつ聞きたい。あんたはGUNTOかファレナかどっちなわけ」
シメオン「GUNTOだ」
ルック「ユーバー、あんたの客だ。最近ご執心のあの魚人の主治医だよ、きっと話せるようにしてくれる。丁重に案内してやって、帰って来なくていいから。あと、人目につかないところに行って。間違えても外科の正面で愁嘆場繰り広げたりしないでよ」
ユーバー「ん?なんだと?だが俺はこれからオペだ、終わるまで引きとめておけ」
ルック「いっそオペを代わってやるから代わってよ……!」
ユーバー「断る。久々に切り刻めるんでな」
セラ「不適切な表現ですユーバー。患者さんに聞かれたらどうするのです。切り裂くと言い換えなさい」
アルベルト「どちらにせよ不適切です。ルックさま、あなたの教育が悪いから」
シメオン「ふむ、噂に聞く外科の切り裂きジャックとはおぬしのことであったか。ロジェよりは役に立ちそうだの」
ルック「誰さそんな噂流したの。っていうかロジェってスーパーラリングタイムのあいつでしょ、一緒にしないでよ!」
シメオン「細かいことを気にするでない。ではゆくぞ、小僧」
ルック「どこへ!」
シメオン「む、言い忘れておったか。おぬしと共に魚人スーツの観察にゆこうと思ってな」
ルック「誰かササライ呼んできて……!」
ナンバリングでは風烈牙って風と土ですよね。